小津安二郎をめぐって
昭和35年の小津安二郎の映画「秋日和」は、主人公・原節子の夫の七回忌のシーンから始まるのだけれど、その原節子の最初の登場シーンが娘役の司葉子とふたり並んで喪服を着て座っているシーンで、その絵がすでにすごいんです。インパクトとしては、ある意味ダイアン・アーバスの双子の写真みたいです。
そのわずか2年後の昭和37年の「秋刀魚の味」は笠智衆が早くに妻を亡くした父親の役で、自分の娘・岩下志麻の結婚を心配する話なのだけれど、それって「秋日和」における原節子が司葉子の結婚を心配するのと話は全く一緒なわけです。
すごいなそれって、と思っていたらそれより10年ちょっと前の昭和24年の映画「晩春」では、父親が笠智衆、娘が原節子で娘の結婚を心配する父親の話が既に作られていたわけで、さらにすごいことになっているわけです。なんなんだ、小津安二郎という人は。「晩春」はまだ観ていないのですが。
そんなわけで先日届いた「小津安二郎のカラー映画5作品」というDVDボックスを繰り返し観ています。小津安二郎の映画を、ほぼ初めていろいろ観ているのですが、そうか、そういうことだったのか、ということがいっぱいあってとても面白い。たとえば場面と場面をつなぐ「インサート・カット」というものの原型を作ったんだなぁと気がついたり、とか。
ちなみにカバーは「秋日和」の司葉子です。
先週の土曜日、カフェで飯を食ってたら、隣に座ったじいさんが話しかけて来た。最初、ベトナム人か? というので、いや、日本人です、と答えたら、あの日本の映画監督、あれはいいよなぁ、なんだっけ、名前、と言い出し、クロザワ? ノン、ミゾグチ? ノン、ナルセ? ノン、と来て4番めにオズ? と聞いたらそれだ、と言ってました。自分はかつてエコール・ポリテクニーク(日本でいうと、東大の理学部ないし工学部な感じの、理系のエリート大学)で教えてたんだよ、とか言っていたので、まぁフランスの知識人、と言っていいでしょう、かなりぼけてましたが。名刺をくれました。オレと何がしたいん? 文通? よくわかりませんでしたが、ひとりで飯食ってるところから察するに奥さんは(死別したか離婚したかで)もはやいないものと思われました。



こんにちは、はじめまして。
先日NHKで「秋日和」を観て嵌ってしまい、色々検索して、こちらのブログに行き着きました。小津作品は好きで「東京物語」「東京暮色」「晩春」「彼岸花」「秋刀魚の味」を観ました。秋日和にでてくる岡田茉莉子さんが可愛くて驚きました。女優さんの洋服、着物、帯から小物に至るまで色が綺麗で美意識を感じます。フランスで小津監督は人気があると聞いてましたが見知らぬ人から話し掛けられるなんて素敵ですね。ところで「小津安二郎カラー5作品」はフランスで購入されたのですか?日本では発売されてないのでしょうか?
投稿: かびごん | 2009年10月23日 (金) 午前 09時41分